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2017.08.26.

晩夏

吉田拓郎トリビュートアルバム「今日まで そして 明日からも、」を買いました。

奥田民生、井上陽水、高橋真梨子、ポルノグラフィティーなどビッグネームが並んでいて、
「落陽」は竹原ピストルが、「夏休み」は鬼束ちひろが歌っています。

10年ほど前に、もう少し若手ミュージシャンが多く参加したトリビュートアルバム
「結婚しようよ」が発売されていて、「落陽」は怒髪天が、「夏休み」は熊木杏里がカバーしていました。

竹原ピストルも鬼束ちひろも好きなミュージシャンですが、このカバーに関しては後者の方が、
この2曲に限らずアルバム全体を通して10年前の「結婚しようよ」の方が気に入っています。

特に熊木杏里の透明感あふれるボイスの「夏休み」を聞いた瞬間、
拓郎のこの歌を初めて聞いた中学1年生のときの、甘酸っぱい感傷が鮮明に甦りました。

  麦わら帽子はもう消えた 田んぼの蛙はもう消えた
  それでも待ってる 夏休み

  姉さん先生もういない きれいな先生もういない
  それでも待ってる 夏休み

  畑のトンボはどこへ行った あのとき逃がしてあげたのに
  それでも待ってる 夏休み

 

近田春夫は拓郎の曲について
「無理のない曲で、シロウトにでも作れそうな、しかもプロを感じさせる作曲家こそ天才で
森田公一と拓郎にそれを感じる」と述べています。
(阿久悠作詞、森田公一作曲で河島英五が歌った「時代遅れ」は素晴らしい!)

小室等は拓郎の曲を「童謡に通じる」と評したそうですが、「夏休み」はその典型の一つです。

詞は日本人の心象の原風景。
「赤とんぼ」に通じます。

  夕焼け小焼けの赤とんぼ
  負われて見たのは いつの日か

  一五で姉やは嫁に行き
  お里の便りも 絶え果てた

 

昭和の僕らに15で嫁に行った姉はいませんが、
三つ四つ年上のきれいな従姉が、夏休みに家に数日滞在して宿題を見てくれた…
なんてことは実際には無かったけど、
あったような(あればよかったのにという願望?)ノスタルジーを覚えます。

 

小中学校の夏休みも、もうすぐ終わりです。

晩夏 …言葉の響きが好きです。

高校、大学の頃、夏休みは忙しい店の手伝いに明け暮れていて、
友人が女の子と遊びに繰り出すのに暗い嫉妬を感じていました。

反動なのか、お盆休みの狂騒が静まるこの時期が一年の中でも一番好きな季節です。

ユーミンの曲に「晩夏」があります。
荒井由美で出された独身最後のアルバム「14番目の月」のエンディングチューンです。

  
  空色は水色に
  茜は紅に
  やがて来る淋しい季節が恋人なの

  藍色は群青に
  薄暮は紫に
  ふるさとは深いしじまに輝きだす

 

空の微妙な色の移ろいが季節の変化を報せています。

朝夕には冷気も感じるようになった岩船の浜に、
昨日の夕方は静かにさざ波が打ち返していました。

by 転がる石

 

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コメント

写真も趣味なのかな。きれいな写真。

写真は全然なんですけど、最近のスマホは性能いいですね。
このスマホで撮るようになってから、自分でもうまくなったと勘違いしてしまいます。

最近僕もこういうノスタルジーに浸ることがあり、おおいに共感しました。
あと何年生きるのだろう?例えばあと20年というと長く感じるけど、あと20回しか桜を見ることが出来ないと思うと、しみじみとします。死ぬ前に一度くらいは吉野の桜を見に行きたいだとか、そんなことをふと思います。

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