雨ふる ふるさとは
雨ふる ふるさとは はだしで歩く
山頭火の、もっとも好きな句のひとつです。
五十歳の頃の作品だそうです。
生家は破産して、とうの昔に故郷からは消えてなくなっていました。
母は山頭火が十歳の時に自殺しています。
放浪の旅の中、久しぶりに訪ねた故郷で、子どもの頃の幸福な思い出を、
足裏の土の感触によみがえらせているのでしょう。
幼な児の無邪気な明るさと、どうしようもなく孤独な寂寥と。
今日の岩船は雨でした。
明日も雨の予報です。
by 転がる石