天の刺客

大河ドラマ「麒麟がくる」は、830日にようやく放映再開するとのこと。

待ち遠しい。

 

日本史の英雄の中で「やっぱり信長だな」と思う。

 

義経は軍事の天才。

革命という意味でなら、飛鳥時代に蘇我専制を終わらせた中大兄皇子だとか、

南北朝の新田義貞や楠正成、

維新の西郷も近い存在かもしれない。

 

優れた為政者ならば、古くは藤原不比等

鎌倉なら北条義時、南北朝なら足利義満

戦国なら徳川家康、維新なら大久保利通だろう。

 

新旧の体制の合間にあってシンボルとしての存在なら

古くは天武天皇、武士の世の魁となった平清盛

後醍醐帝と袂を分かって北朝を建てた足利尊氏

地下から天下人になった秀吉

政権には欲を持たなかったが維新のシンボルなら龍馬であろう。

 

信長は全部だ。

 

軍事の革命家で、政治経済の先駆者で、文化人で、

何人も寄せ付けないカリスマである。

 

武田を滅ぼした戦で、信長の嫡男信忠が司令官として功績を上げ

織田政権の後継者としての位置を磐石にしたとき、

秀吉も家康も柴田勝家も滝川一益も明智光秀も、

政権の中で自分がいつ用済みとされるかと、恐怖におののいたに違いない。

 

生き延びるためには、偉大すぎるカリスマを誰かが倒さなければならなかった。

たまたま光秀に、天がその役割を与えたのだ。

 

さて、 

信長の思い描いた麒麟と

家康の具現した麒麟と

どちらが勝っていたのか?

 

空しくも楽しいIfを追い求める、

日本史好きの永遠のテーマなのだ。

 

by 転がる石