本末転倒

現在の車が240,000km(前の車は300,000km)を過ぎ、3月で車検も切れるので車を買い替えたのだが8年落ちの中古車でも余計な[アイドリングストップ機構]なる物が付いて来た。

以前からアイドリングストップは、財布にも環境にも悪いと思っていたのだが、それを止めるキルスイッチがあるというので購入したら、なんと?エンジンを切る度にキルスイッチがキャンセルされ、再始動する度毎に何度もキルスイッチを押さないとならず、非常に面倒くさい車だった。

 

メカに少し詳しい人ならお分かりと思うが、電力を一番使うのはエンジン始動時です。止る度に再始動するアイドリングストップはバッテリーの負荷が非常に大きく、ヘッドライト等が10Aに対し、セルモーターは100A~300Aと桁違いで、バッテリーの寿命が極端に短くなってしまいます。

中古車でなくても、新車購入1年半後にアイドリングストップが全く効かなくなったという話もあり、原因は「バッテリーの消耗」(古いスマホ=劣化したバッテリーでフル充電しても直ぐに電池が無くなるのと同じ)。劣化したバッテリーでは、再始動に必要な充電量に足らず、再始動すると劣化したバッテリーが更に弱るのでアイドリングストップしないようコンピューターが制御する。

 

アイドリングストップ無しのバッテリーは、4年~5年に一度の交換なのに対し
アイドリングストップ有りのバッテリーは、18ヵ月~2年で交換。(半分以下の寿命)

バッテリーも通常よりも容量を大きくする必要があり、値段も1.5倍と高価で価格は5万円以上。
トータル費用はアイドリングストップ無し車の実質的に「3倍以上の出費」である。

地球環境的にも、有害物質が多いバッテリーの製造時エネルギー/廃棄時エネルギー(CO2排出量)は全く無視され、走行時の燃費だけ(うわつらだけ)を強調しているのは改めるべきである。金銭的にもトータルで3倍以上なら、地球環境的にもトータルで3倍以上の環境負荷なのではないのか?

 

単に走行中のみの燃費や、走行時のみの地球環境的なメリットのみをカタログに表示宣伝し、半分にも満たない短い電池の寿命や、交換時に発生する1.5倍もするバッテリーの交換時の出費、トータルでの地球環境負荷の事などカタログには何も書かれていない。

 

容量の大きいバッテリーは小さいバッテリーより製造時&廃棄時エネルギーも環境負荷も大きい。
交換サイクルも半分以下の寿命の短いバッテリーで頻繁に交換。これの何処がエコなのか!?

僅か数秒アイドリングストップした時のCO2排出量減など軽く吹っ飛んでしまうだろう。
そんな本末転倒な事もあり、トヨタの新型車にはアイドリングストップがついていない車が出始めた。

 

私の車もこの車(アイドリングストップ機構付き)を再始動してもキルスイッチがキャンセルされない
(アイドリングストップしない)ようにディーラーで設定してもらう予定です。

 

アイドリングストップ機構付きのバッテリーに限らず「形あるもの、いつかは壊れる」。

製造時エネルギー(その物体の製造時CO2排出量)~廃棄時エネルギー(その物体の廃棄時CO2排出量)~廃車になるまでの多くのバッテリー交換回数等々、エコロジーやカーボンニュートラルを目指すなら、その物が生まれる過程のCO2排出量、その物を無害にして地球上から消えてなくなる迄の環境負荷をトータルで進め、目の前だけの錯覚で判断すると「本末転倒」になると私は思います。

by Forester