唄者

BOSSはビートルズのLPボックスですか。
同じ音源をいくつも持っているのにね。情の深い人だ。

 

雨ばかりの夏で気分が滅入ってしまって、ブルース・スプリングティーンを聞き返していたけど
音が消えるとまた落ち込んで、これは癒し系の方がいいんじゃないかと
注文したCDが今日届きました。515r2EW-V6L._SL500_AA300_[1]

 

 

 

 

両親ともに沖縄三世のペルー人で、今は沖縄で活躍するLucyの「にぬふぁぶし」

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早くからメジャーデビューが待望されていたという上間綾乃の「唄者」

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沖縄・八重山を代表する若手唄者、大島保克の三絃の弾き語り「我が島の唄」

いいっ!
全部いいっ!

スペイン語でも歌われるLucyの「島唄」も
ウチナーグチ(沖縄方言)で歌う上間綾乃の「悲しくてやりきれない」も
そして大島保克の「とぅぱらーま」も…

「トゥパラーマ」、ベエさん激賞の「島人ぬ宝」の歌詞にも出てくる八重山民謡です。
言葉の意味なんかわからなくても、心に染みてきます。

奄美、沖縄では、歌い手を「唄者」(うたじゃ)といいます。
本土の民謡歌手のように、これでもかと美声を張り上げる歌い方ではないですね。
女性の場合は高音と絶妙な節回しが、男性の場合は訥々とした唄の中に、
えもいえわれぬ味わいがあります。
過酷な辺境の運命の中で、何代も歌い継がれてきた魂(ソウル)でしょうか。

 

オールドファンには懐かしいバタヤンこと田端義雄に、「十九の春」というヒット曲があります。
バタヤンバージョンは歌謡曲風になっていますが、元々は沖縄の歌です。

沖縄では代表的なスタンダードナンバーで、恋愛(不倫?)の歌詞がつけられていますが、
さまざまな変遷を経てきた曲で、海の事故で子を失った母の哀しみが原型だと言う説もあります。

THE BOOMもカバーしていて、新しい歌詞をつけています

  ♪私があなたを想う数 山の木の数 星の数 
       三千世界の人の数 千里浜辺の砂の数

   ♪雲の切れ間に満ちる月 あなたはなんて無情なの
    想い願いはいく度無く 会えぬ月日はいく日ぞ

もちろん恋愛の歌詞です。
でもこの歌の辿った運命を知ると、子を思う母の情の深さにも思えてしまいます。

沖縄の唄者に癒されて、わが古里の鎮魂の行事「七夕」を迎えることにします。

by ガンダルフ