6回1/3 119球 10失点

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9月29日 ホーム横浜スタジアムでの対ヤクルト最終戦。
勝てば勝率5割、巨人との2位争いもかかる重要な試合が三浦大輔の引退マウンドになりました。

味方も6点取りましたが、6回まで投げて10失点。
投げに投げて、打たれに打たれて、6回のマウンドを降りるとき
これが最後と察した満員のファンが「ミウラ」コールの大声援を送り、
本人もスタンドに一礼をしてベンチに下がりました。

しかし6回裏。ベイスターズの打順は先頭打者が三浦。
ラミレス監督は代打を告げずにそのまま三浦を打席に立たせました。
三浦に勝ちがつくことを最後まで願っていたのでしょう。

そして7回表。さらに三浦はマウンドに向かいます。
スタンド全体から怒涛のように鳴り響く「ミウラ」コールの中、
スワローズの雄平はフルスイングの三振で、三浦やラミレスの心に応えて見せました。

外野からまでもマウンドに駆け寄ったナインも、ベンチも
スタンドのファンも、もちろん本人もみんな泣いていました。

大洋ホエールズの最後の試合でデビューして以来25年間、
弱いベースターズで投げ続けた男は、球史に残る感動の引退試合で
マウンドを去りました。

 

 

私たちがプロスポーツを見るときに、何よりも求めているのはエンターティメントです。
勝ちにこだわるのは、それがファンが求めているものだからです。
しかし時に、勝利以上のエンターティメントが存在します。

自軍ばかりか、相手のプレイヤーまで輝かせてファンに感動を与えた
アレックス・ラミレスは超一流の演出家であります。

byガンダルフ