冬隣(ふゆどなり)

紅白歌合戦の出場歌手が発表になりました。
今年も毎度お馴染みの方から初出場の方まで様々いるようです。
とは言え、我が家では「大みそかは家族そろって紅白を見る!」みたいな習慣は子供のころからありませんでしたので、それほど興味がないと言うのが本音なんですが・・・。
(紅白ファンの皆さん、すみません)

ただ、もし叶うなら紅白に限らす、ぜひ一度聞いてみたい歌手が一人います。
それが「ちあきなおみ」です。

私はリアルタイムでちあきなおみの歌を聞いた記憶がありません。
数年前までは私にとっての「ちあきなおみ」はこれがすべてでした。

CMでの「もっとはじっこあるきなさいよぉ~」も何となく覚えていますが。

ところがある時、何気なしに動画サイトを眺めているとこの曲を見つけたのです。
「冬隣」
http://youtu.be/P2i18jetHfk
言葉の意味もわかりませんでしたがなぜかタイトルに惹かれ、この曲を聞いたのでした。
調べてみると冬隣とは[まわりの景色や雰囲気から、冬の近づいた気配が感じられる晩秋のころ]という意味があるようです。

この曲は愛する人を亡くした女の歌です。
「あれから私は冬隣  ほほ笑むことさえ忘れそう
地球の夜更けはせつないよ そこから私が見えますか」
自分に、というより、父を失った我が母の気持ちに重ねて聞こえてきて、思わず涙したのでした。

動画サイトのコメントに「彼女の歌は曲ではなく一本の映画のようだ」というようなコメントをよく見かけますが、同感です。
それは、映像で見ると特に感じます。
彼女が「あなた」と歌えば、視線の先に「あなた」が見えてくる。
「琥珀のグラス」と歌えば、彼女の手元にグラスが見えてくる。
引退した今も尚、大勢のファンを惹きつけているのも頷けます。

こういう話をすると、友人たちには「まだ始まったは・・・」とウザがられるのでひっそりしていますが、私の車の中でちあきなおみを聞きながらスクスク成長している息子は、2歳半の時には既に「黄昏のビキン」を歌えるようになりました。
最近では仮面ライダーとゴ―バスターズしか歌ってくれませんが、曲がかかれば「あ、ちあきなおみだ。」と反応します。

好きな曲をやエピソードを挙げだすと超長文になりそうなのでこのへんで。

byラ―定