マイナス30度の深呼吸

歴史がひとつ幕を閉じた・・・なんて言ったら大げさでしょうが、まさにそんな気分です。

先日、冷凍室の電源を切りました。

この冷凍室、うちが商売を始めて以来使っていたのでかれこれ30年以上働いてくれました。

大人が数人ゆうに入れる広さと高さ。

子供の頃、友達とふざけて入ってはよく叱られたものです。

マイナス30度の室内で深呼吸するのがたまらなく好きでした。

大きい、うるさい、電気代は食う。

今の時代に全く逆行した冷凍室。

それでもやはり愛着があり、これまで使い続けてきたのですが・・・。

ここ数年は度重なる故障に悩まされてきました。

特に気温が上がる夏は頻繁でした。

しかも、なぜか狙ったように連休やお盆など繁忙期に壊れる(^^;)

「次に壊れたら・・・」と何度も最後通告されながらもだましだまし使っていたのですが、その職人さんが廃業してしまいました。

電話すると新発田から駆けつけてくれる職人のSさん。

これまで何度も助けられました。

腕の良さはもちろんのこと、こんな古いものを直してくれる、いわば職人の「情」みたいなものがあったのでしょう。

跡継ぎがいないとのことで残念ながら商売をおやめになりました。

これでうちも踏ん切りがつき、この度ついに電源を落としたのです。

夏になるとエラーマークが点灯していないかちょくちょく確認しにのぞいたものですが、それももうしなくてもよくなりました。

煩わしい作業でしたが、しなくてよいとなると何となく淋しいような。

あの深呼吸が懐かしく思い出されます。

 

写真冷凍

byラ―定