1974年に発表された、フランク・ザッパ18枚目の作品「アポストロフィ(’)」。
全米10位の大成功を収め、ゴールド・ディスクにも輝いたザッパ最大のヒット・アルバムだ。
今年はリリース50周年にあたり、6枚組の記念ボックス・セットが発売された。
なんと通算129枚目のオフィシャル作品となる。
この6枚組には1974年オリジナル音源も入っているのだが、今回はそこにしっかりと
2024年版リマスターが施されていて、今まで以上に重心が低く迫力ある音像にびっくりする。
さらに1974年に行われた2公演分の未発表ライヴ音源がまるまる収録されており、しかも
ドルビー・アトモスを含むBlu-rayも付いているので、高いけど仕方ない。
内容的には前作「オーバーナイト・センセーション」と同様、とても聴きやすいポップな作品。
初めてザッパを聴く人にはまずお薦めしたいアルバムだ。
さて、1993年12月4日にザッパ師が亡くなってもうすぐ31年。
生前最後となる「イエローシャーク(1993年)」は62枚目の作品だった。
ということは、没後に67枚もの新作が出ていることになる。
そのほとんどがライヴ音源ではあるが、ほぼ全てが未発表曲を含む未発表音源なのだから驚くしかない。
こんなアーティストは他にいないんじゃないかな。
93枚目からジャケットに通し番号が振られはじめたので、買う側としては管理が少しは楽になった。
とは言え、毎年とんでもないハイペースで、しかもボリュームたっぷりの新作が発売されるので、
オレの頭の中はいつも混乱している。
そういえば以前、”転がる石”さんから「ザッパを買いたいから、お薦めアルバムを3枚選んで」と
お願いされたことを、ふと思い出した。ずいぶん昔の話なので何を選んだのか思い出せないが、
「アポストロフィ(’)」はその3枚の中に入っていただろうか。
”転がる石”さんは混乱しない人だから、きっと覚えているに違いない。