フランス人ご来店

ここ数年かなり耳にする「インバウンド」。良くも悪くも訪日外国人が増えまくっているようです。様々な業界でインバウンド対策やインバウンド向けサービスが行われています。
とはいえ、正直、うちには関係ないかなーなんて思っていたところ、先月外国人カップルが飛び込みで宿泊しました。
これまでも外国人は何度か宿泊したことがありますが、皆さん片言の日本語はじゃべれる方ばかりでした。しかしこのカップル、全く日本語が通じない。唯一しゃべれるのは「アリガトウゴザイマス」のみ。
どこから来たのかもわからない、どこへ向かうのかもわからない。母ちゃんがさあ困ったぞ、と思ったところ、彼らが翻訳機を使い始めました。これで一安心と思ったのもつかの間、おらごの母ちゃんのネイティブ岩船弁は日本語と認識されないらしくエラーになるばかり。
困った母ちゃんは私(というより、中学生の孫)にヘルプを求めました。
すぐに駆け付け、とりあえず「Where are you from?」と聞くと「france」との返事。
フランス!?英語もままならないのにフランスかい!
息子の中学生英語が頼りでしたが、発音のせいなのかなかなか通じない。これは書いてやり取りするしかないと思い、そこからはとにかく単語を書いてやり取り。
なんとか代金や食事の時間など伝えることができました。
母ちゃんがやたら「オーケー!オーケー!」を連呼するので本当にオッケーなのかよくわからないままとにかくやり過ごしました。(笑)

 

夜。
私たちは店に寝泊まりしていないので何かあったら電話してもらうことにしています。

We don’t live here.(私たちはここに住んでいません)
Call me if you have any problems.(問題があったら電話してください)
息子が一生懸命しゃべるのですが彼らの反応はイマイチ。
結局
「ワタシタチ、ココニスンデイナイ。ナニカアッタラ、ココニデンワ!」と片言っぽい日本語(つまり完全に日本語)で電話番号を渡し帰ってきました。

翌朝私が店に行くとちょうど彼らが出発のタイミング。
調べておいたフランス語でMerci d’être resté avec nous.(ご宿泊いただきありがとうございました。)
と伝えると満面の笑みで「アリガトウゴザイマス」と手を合わせて感謝を伝えてくれました。

宿帳書いてもらったはいいけどフランス語なんて読めないし、そもそも名前すらよくわからないし、結局どこへ向かったのかもわからなかったけど(笑)なかなか楽しい体験でした。
最初に対応したのが私だったら、もしかしたら断っていたかもしれない。
母ちゃんの「オーケー!オーケー!精神」にちょっと感心した出来事でした。

byガドガド