♪恋人よ 僕は旅立つ 東へと向かう列車で
華やいだ街で 君への贈り物 探す 探すつもりだ
いいえ あなた 私は欲しいものはないのよ
ただ都会の絵の具に 染まらないで帰って 染まらないで帰って
恋人よ 半年が過ぎ 逢えないが泣かないでくれ
都会で流行りの指輪を贈るよ 君に 君に似合うはずだ
いいえ 星のダイヤも 海に眠る真珠も
きっとあなたのキスほど きらめくはずないもの きらめくはずないもの
恋人よ 今も素顔で 口紅もつけないままか
見間違うような スーツ着た僕の 写真 写真を見てくれ
いいえ 草に寝転ぶあなたが好きだったの
でも木枯らしのビル街 からだに気をつけてね からだに気をつけてね
恋人よ 君を忘れて 変わってく僕を許して
毎日愉快に過ごす街角 ぼくは ぼくは帰れない
あなた最後のわがまま 贈り物をねだるわ
ねえ涙拭く木綿の ハンカチーフください ハンカチーフください
説明不要の名曲「木綿のハンカチーフ」
作曲は日本ポップス史上最大のヒットメーカー筒美京平
氏を取り上げた番組で
「太田裕美さんは裏声に特徴あるので、魅力を引き出すメロディーにしました」と語っていた。
作詞は、こちらも大ヒットメーカーの松本隆。
都会で生まれ育った松本さんには、自然と共存する田舎暮らしに強い憧れがあったようです。
スーツだとか指輪だとか、見てくれのものにどれほどの価値があるのか。
草に寝転んで、キスして。幸せはそういうことだろう。
さて、この彼は、恋人に木綿のハンカチーフを贈ったのか?
できなかったでしょうね。今さら。
シルクのハンカチってのも違うし。
何を選んでも、故郷との縁を切ることになるみたいだし。
でも、彼女の望み通りに木綿のハンカチーフを贈るべきでしたね。
数年後に故郷に帰って彼女とばったり会ったとする。
彼女は誰かと結婚して子供を抱いていたりする。
贈っていれば、もう思い出として
「楽しかったよね。」と笑い合えたりできるのに。
区切りはきちんとつけないと、いつまでも悔いだけが残ってしまう。
明るいメロディーだけど、本当は
しっかりとした女性と浅はかな男のコントラストを描いた
シニカルな歌だと理解しています。
by転がる石