海舟に学ぶ

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勝海舟の曽祖父は越後の貧農に生まれた盲人だったにもかかわらず、
江戸に出て高利貸しで財をなし、旗本の株を買って子を士分にしたのだそうです。

海舟の幕府での位は低かったものの、幕末の風雲の中で操船の知識を買われて
神戸海軍操練所(そこで坂本竜馬を弟子にしたといわれている)を設立します。

この操練所には、脱藩の志士たちも多く加わったことから幕府にとがめられて
一時期海舟は蟄居の身分となりますが、無能役人揃いの徳川幕府の終末には
幕府の全権を任せられて、西郷隆盛と談判の上、江戸無血開城を成し遂げます。

明治政府になってからも、能力を高く買われて重役を歴任し、
大日本帝国海軍は海舟によって創り上げられたとも言われています。

政治の第一線を退いた後で、日清戦争が勃発し海軍も参戦することとなったとき、
「戦争にならないように海軍を作ったってのに、本当に戦争をはじめてどうすんだい」
と激怒したのだとか。

前回に引き続き、安保がらみの話になってしまいますが
一つには、戦争を抑止するには軍事力を持つことが不可欠なこと
もう一つには、その軍事力を絶対に自衛のため以外に使ってはならないこと

激動の時代にこの国を救うために奮迅の働きをした越後人の血を引く偉人の思想を、
今あらためて深く考慮するべきと思います。

by ガンダルフ