サージェント・ペパーズ 50周年記念エディション

先月5月26日(金)に世界同時発売となった、ビートルズの
「サージェント・ペパーズ 50周年記念エディション」。
半世紀も前のアルバムが、リミックスされてまた世に送り出された。

4種類のバージョンが発売されたが、オレが買ったのは6枚組(4CD+Blu-ray+DVD)。
久しぶりの大物である。

28日(日)は天気が悪かったので、外出しないで全部聴き倒すことにした。
どうせだから、1987年に発売された初版CDと、2009年のデジタル・リマスター盤も
あわせて聞き比べてみた。

聴く順番に迷ったが、まずは今回の「50周年記念盤」をチョイス。

1曲目の"Sgt. Pepper’s Lonely Heart Club Band" から衝撃を受ける。
「なにこれ? 音の定位が今までと全然違うじゃん!」

今回ミックスを手掛けたのは、ジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティン。
説明が難しいのでここでは省略するが、簡単にいうと、オリジナルの4トラックの
セッション・テープから本当のステレオ・バージョンを作りたかったのだそうだ。

1曲目を聴いた第一印象は、現代風のミックスかな、ということ。
たぶん好き嫌いが分かれると思うが、オレは好き。
リズム隊がどっしりと中央に座り、その音も大きめで迫力があり、なんだか不思議な
ライブ感すらあり、とてもかっこいい。音圧すごい。

反対に4曲目の"Getting Btter" は、ベース音の輪郭をぼかしすぎてイマイチ。
なんでこんな風にしちゃったのかな? 意図が分からない。

今回の白眉はなんと言っても、7曲目の"Being For The Benefit Of Mr. Kite!"。
とにかく素晴らしいの一言!この曲ってこんなにすごかったのかと、ちょっと反省。
オレの好きな曲ランキングでも、かなりジャンプアップした。まさにプログレッシブ。

この後は、
② 2009年のデジタル・リマスター盤
③ 1987年に発売された初版CD
④ 50周年記念エディション(2枚目・スタジオセッション)
⑤      〃      (3枚目・スタジオセッション)
⑥      〃      (4枚目・モノラル)
⑦       〃      (Blu-ray・DVD)(5枚目&6枚目・5.1サラウンドなど)

てな具合に聴き続け、全て聴き終わったのは午後3:00。
途中休憩をはさんだものの、6時間も同じCDを聴き続けるのは実に久しぶりのことだった。

んで、オレの結論。

今回の「50周年記念エディション」は、あくまでも記念バージョンであって、
決して最高の完成型というモノではないということ。

個人的には今まで発売されている中では、
②の「2009年のデジタル・リマスター盤」が一番好き。
それぞれの楽器の分離感に優れ、非常に立体的でクリアなサウンドなのだ。
こちらは親父の仕事である。もちろん好き嫌いは分かれる。

従来のイメージを損なわないという意味では、今回のリミックスは非常にいい仕事だったと思う。
きっと親父も天国で喜んでいることだろう。

by ほでら