龍門

今日は憲法記念日
世界平和を希求するのは当然なのですが、
武力行使権を放棄して国が成り立つの? という大問題を抱えていまして、
護憲、改憲、議論噴出、百家争鳴であります。
自立した国として相応しい毅然とした憲法とは…

でもGW。
風薫る爽やかな季節に難しいことは考えたくないですね。

5月5日は子どもの日、昔風にいうと端午の節句。
このあたりでは月遅れの6月に節句を祝いますが、世間一般が5月なので
鯉のぼりも30日以上のロングランになりがちです。
残念ながら住宅事情と少子化で、鯉のぼりを上げる家もめっきり少なくなりました。

  甍(いらか)の波と 雲の波
  重なる波の 中空(なかぞら)を
  橘(たちばな)かおる 朝風に
  高く泳ぐや 鯉のぼり

  百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
  忽(たちま)ち竜に なりぬべき
  わが身に似よや 男子(おのこご)と
  空に躍るや 鯉のぼり

鯉のぼりを見かけると、

  屋根より高いこいのぼり・・

ではなくて、上記の文語調の「鯉のぼり」を口ずさんでしまいます。
格調高い七五調の歌詞に明るいメロディーの名曲で、私の愛唱歌の一つです。

「高く踊る」「空に泳ぐ」としそうなところを逆にしたあたり、作詞者のセンスが光ります。
ちなみに作詞者は不詳、作曲者は弘田龍太郎(やっぱり龍なんだ…)だそうです。

龍門(中国に実在する川)の急流を登り切った鯉は龍になるという
中国の故事を踏まえての詞ですが、この故事が「登龍門」の語源です。

 わが身に似よや 男子(おのこご)と

五十歳を過ぎて「おのこご」でもありませんが、
年に一度のこの時期、百瀬の急流を泳ぎきって龍にならねばと、
怠惰な毎日をすっかり棚上げして
思いも新たに鯉のぼりを見上げます。

Byガンダルフ