石船神社のヤブツバキ

岩船花便り

一年に4回の当番だから、冬はヤブツバキと決めていました。
通常は12月から3月の花ですが、お宮の花は4月中旬に咲きます。
石船神社の社叢(社殿や境内を囲うように密生している林)2,440坪は、
天然ヤブツバキの群生地として昭和33年3月5日に新潟県文化財に指定されました。
日本海岸のツバキ樹叢としても植物学的にも貴重な場所なのです。
石船神社のヤブツバキはどこから来たのでしょうか。
小野正典宮司を訪ねました。

宮司は秋田県の伝説「能登山の椿」の話をしてくれました。
https://japanmystery.com/akita/notoyama.html
能登半島から来た若い男性が男鹿の港で出会った若い女性と恋をするという悲しい伝説。
秋田の椿は能登半島から来ていました。


宮司によると、
ヤブツバキは常緑樹なので一年中緑が枯れない、
それで海からの目印になったのではないか、
石船神社のツバキも南方から来たのだと思います、と話してくださいました。
直径20センチのものもあるらしいです。
石船神社のヤブツバキは、果たして誰が種を植えたのでしょうか。
県境を越えた熱い恋が岩船の町にもあったのかもしれません。

ここに掲載させてもらった写真は、
2011年5月の連休、岩船町ドットコムの立ち上げを準備していた時のものです。
手水舎に散るツバキがとても綺麗で、思わず何枚も撮ったものです。
春になったら、間近に寄って見てみてください。
私が持っている古い資料には樹齢300年を経たものがあると記載されています。

by マイケル