RED / キング・クリムゾン

音楽と自転車

キング・クリムゾン(King Crimson)の8枚目の作品。(1974年)
全5曲。非の打ち所がない。誰もが認める傑作である。

1968年に『クリムゾン・キングの宮殿(In The Court Of The Crimson King)』で
デビュー以降、リーダーのロバート・フリップは、アルバムごとにちょっとずつメンバーを
替えながら『ポセイドンのめざめ(In The Wake Of Poseidon)』、『リザード(Lizard)』、
「アイランズ(Islands)」を発表した後、志向する音楽の違いから生じる内紛により、1972年9月解散を宣言する。
(解散後5枚目となるライブ盤『アースバウンド[Earthbound]』が発表された。)

その後、ロバート・フリップ(ギター、メロトロン)はすぐに次期メンバーを集め、1973年に
6枚目『太陽と戦慄(Larks’Tongues in Aspic)』を発表する。
ジョン・ウェットン(ベース、ボーカル)、ビル・ブラフォード(ドラムス)、デヴィッド・クロス(ヴァイオリン)、
ジェイミー・ミューア(パーカッション)という、即興演奏もできる凄腕ミュージシャンによるこのアルバムは、
第2期の幕開けを告げる超名作だ。
そして次作『暗黒の世界(Starless And Bible Black)』をはさみ、8作目として発表されたのが『レッド(Red)』だ。
『レッド』は複数のゲスト・ミュージシャンを招き、それぞれの曲でいい仕事をしている。

A面はインスト曲「レッド」の爆音ギターで幕を開ける。
ずいぶんと昔の話になるが(40年以上前)、某ラジオ番組で、日本を代表するギタリスト渡辺香津美氏が、
「このギターの音は、どうやって出しているのか全く分からない。」と語っていた。
今の時代だったらエフェクターで再現できるものだろうか?
いや、ひょっとしたら現在でも無理かもしれない。
それくらい強烈で、凄い音圧だ。

2曲目「堕落天使」、3曲目「再び赤い悪夢」はボーカル入りの曲。
ボーカル曲と言っても、そんなに甘くない。
ジョンの声は甘くハスキーだが、演奏は激しく、とんがっている。
「再び赤い悪夢」のドラムスは、やたらとカッコいい!

B面もインスト曲で始まる。
この曲「神の導き」はプロビデンスのパレスシアターでの即興演奏。
導入部から終焉に至るまで、少しも破綻しない。凄いの一言。

そして突然この曲が終わると、メロトロンの美しい音色がスーッと入ってくる。
2曲目「暗黒(スターレス)」の始まりだ。
クリムゾンのファンなら誰もが涙する、12分におよぶ名曲である。

そしてこのアルバムを発表後、第2期キング・クリムゾンは再び解散をする。
メンバーをガラリと変えて復活をとげるのは、7年後1981年のことだった。